この数年、「大人の女性に向けた」と冠がついたブランドが続々と増殖中だ。
恐らくは40代、50代を想定している場合が多いのだが、この40代は一筋縄にはいかない世代という事をお伝えしようかと思うのである。40代代表としてね(笑)

先日、タイミングよくTwitterで40代をバブル世代と思っている若者が多いという事で本当は氷河期世代だと訴えるTweetが流れてきた。
私的には半分そうだけど、半分違うな。という印象。

正確に言うと、40代前半はある意味、氷河期に片足突っ込んだ世代。
40代後半は一部バブルの恩恵を受けられた世代なのですよね。
丁度、45~42歳くらいが過渡期にあたるのである。

私自身が良い例なのだが、高校時代はまだバブルの余韻があり、比較的就職もしやすかった。
私の記憶違いでなければ、同級生の内、進学希望以外は全員就職先が決まっていた。
ただ、私は何故か全て落ちたんだけどね(笑)。
因みにこの時はインテリア会社、建築会社、家具メーカーなどを希望してたのだが、それでも受からなかった理由はバブル云々とは関係ないトコロにあると認識しているので省かせていただく。

で、この時、進学組が2年ないしは4年勉強している間に世の中は大分変化しており、就職難時代に突入していたのである!
当時、専門学校への求人も少なく、学校指定の手芸店へ就職した子もいた。
私の場合がファッション雑誌に掲載されていた求人情報で就職を決めた。

とは言え、比較的アパレル業界は異業種とは違い、バブル崩壊後にマンションメーカー、ストリートブランド、インディーズブランド全盛時代、SPA化することでそこそこ盛り上がっていたので、異業種の様な大変さがあまりなかったように感じられる。


確かヒロミチナカノは90年代に独立されたと思うのですが…

まだまだ地方格差があった時代

90年代前半は今の様にネットもなく、情報はテレビと雑誌だけ。情報格差も今以上に大きく、時間差もある時代。
ゆえに東京と地方ではバブルに対しての感覚は違うと思われる。この頃は中高生だから私自身が恩恵を受けたと感じたことがないしね(笑)。
とは言え、高校生であっても東京都内に住んでいたら、大いにバブルの恩恵を受けているのであろう、そういった方たちの思考はバブル世代とほぼ同じである言っても間違いないと思う。例えば梅宮アンナさんとか西川史子さん辺りを見ていると、強く感じる。

だから、全ての40代がバブル世代とも氷河期世代とも言えないんだよね。
他の世代もそうだが、10年ずつで語るのは不毛なのよね。本当は。
マーケティング的にも3年ないしは長くて5年位で世代を区切りながら観察した方が正しいんだよね。

どういう40代を思い描いてますか?

となると「大人の女性」と一括りにされた40代、50代としては、作り手側の思いや考えは分かるけど、ちょっと違うんだよね。
それに今どきの40代前半はバブル世代の様に服はそんなに買わないと思うのよ。
じゃなかったら、10着しか服は持たない本とか必服は捨てろと推奨する本とかミニマリスト系があんなに関心持たれないでしょう(笑)。
子供のころからほとんど苦労もなく欲しいものが入手できた世代だし、皆さんの実家には物が溢れてませんか?

まぁ、40代だ、50代だ、と謳うのは良しとして、さて「どんな40代を思い描いて企画しましたか?」
色んな生き様、ライフスタイルの人がいますよ。
何てったって、この世代は団塊ジュニア世代ですからね(笑)。

この記事を書いた人

苫米地香織

日本で一番アパレル販売員を取材しているファッションジャーナリスト
販売員として働きだすが1年で挫折し、アパレル企画会社に転職。独立後は衣装制作、グラフィックデザイナー、ライターとして活動し、現在はファッション業界誌を中心に執筆。これまで取材してきたアパレル販売員は2000人を超える。