実は年明けからとあるところで、ECサイト運営のお仕事をさせていただいております。
仕事はとても面白いです。
今までやってきたことの延長でできることもあれば、新しく覚えることもあり、とても楽しいです。

その反面、改めてECの奥深さや、デジタル施策は手が掛かることを実感しているところです。

商品1つとっても、写真の加工の仕方、ユーザーが一番確認したそうな部分が映っているかとか、着用したらどんな風に見えるかとか。
商品説明文もしかり、サイズが細かく掲載されているのは当たり前で、着用シーンやコーディネート提案など、販売員が店頭で伝える並みの内容をどう読みやすくコンパクトにまとめるか。
サイトのデザインも見やすく、回遊しやすく、ボタンの配置もわかりやすくしないと離脱されてしまうし。
とにかく、色んなトコロで人の手が掛けられているんですよね。
本当に手間暇かかってる。

ある日作業をしながら、商品のアップ作業とかって、下手したら実店舗の方が簡単かもしれないって思ったんですよね。
ECサイトをやるより、実店舗を作ったの方が売れるまでのスパンが短いんじゃないかな?って、本気で思いましたよ。
ま、初期投資の金額が圧倒的に違いますけど(笑)

 

で、この経験で改めてお伝えしたいのは
ECサイトをやれば売り上げがとれるとか
ホームページ作れば新しい仕事が来るとか
ってホントあり得ないです。

まず、実店舗以上にアクセス取る(顧客接点を持つ)ことが大変です。
SEOとか設定だけじゃ、簡単にアクセスしてこないですし(その道のプロがやれば違うのかもしれないけど…)
商品をアップしただけじゃダメで、SNSを使って拡散&アプローチ&コミュニケーションを取ること
アクセスが増えるようなメルマガやコンテンツ作りも今後は当たり前になってくるでしょうし
もうここまでくると「実店舗の運営方法と同じじゃん!」って感じですが、それくらいやらないと駄目ってことですね。

もちろん、営業的な面で24時間顧客接点を持つことが可能だったり、実店舗ではフォローしきれなかったお客さまに届くこともできる可能性があったり、とメリットもたくさんあります。
たくさんあるけど、ただアップして放置しておくだけでは実店舗の不良在庫と同じってことなんですよね。
たまには掘り起こしてあげないと。
動きが鈍い商品をディスプレーに使うとか目立つところに置いてみるとかって、まさに実店舗と同じじゃありません?

ECは効率が良くなるところもあるけど、手間暇かけないといけないところもあるのです。

 

先日、本当に売れないある商品のコンテンツ文の修正をしました。
サイトにそれが反映された後、少しずつ売れているようで、ちょっと嬉しかったです。

この記事を書いた人

苫米地香織

日本で一番アパレル販売員を取材しているファッションジャーナリスト
販売員として働きだすが1年で挫折し、アパレル企画会社に転職。独立後は衣装制作、グラフィックデザイナー、ライターとして活動し、現在はファッション業界誌を中心に執筆。これまで取材してきたアパレル販売員は2000人を超える。