憧れという幻想を捨てた方が良いのかも

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CHRISTIAN DADA 2016S/S


The FLAGさんから定期的にお題をいただくのですが、中々答えられなくて何かすみません(゚ー゚;A
って感じなので、書いてみました。

コレクション直前にただいたイシューで「学生はファッション業界に夢を見る?」というのをいただきまして、コレクションって夢の広がる場でもあると思うので「丁度いい!」と思って、ちょっと考えてみました。
ちなみに私なんて、この年齢になっても色んな夢や希望を抱きっぱなしです(笑)。
そもそも、この業界に入りたいなぁと思ったきっかけは「テレビでファッションショーを見て、この両サイドの薄暗いところに映る人になりたい」という、ミーハー心からですし…。
お陰様で、ちょっとだけその映ってた人を経験して、今は写す人になりました(笑)。
まぁ一応、夢が叶ったっていうことです。めでたし。

今と昔じゃ夢を見る環境が違う

最近のアパレル業界の状況を見ていると「このままいったら業界死滅するんじゃないか?」ってくらい、悲惨な印象を受けて、「夢なんか見られないよ!」ってなりそうですが、服を全く買わない人ばかりではないし、街を歩けば買い物袋を持って歩いている人がいるんだから、結局は仕事をする側の心持ちかた次第なのじゃないかなって思うんですよね。
業界云々というよりも、社会環境が変わったことによって、夢の描き方も変わってきたということです。
単純に今と一昔前(80~90年代とか)で経済状況も違うし、情報量はもちろん、情報の流れ方も変わって、ファッションも多様になって、お金の使い道も多岐に渡る。そうなると“夢の見方”自体も変わってくるのは必然なのでは。

要は「育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めない」ってやつです。

現にFashionsnap.comに登場された学生さんは厳しい感じでお話しされていましたが、The FLAGの方に登場した学生さんは厳しい現状も知った上でも夢を持っている。
これは余談かもしれないけど、どんな事でも夢を持てる子は周囲に夢を持って何かに取り組む大人がいたんじゃないのかしら?
趣味でも、仕事でも、遊びでもね。
私の周りは親や親せきが職人さん(建築系ね)だらけだったこともあって、ものづくりが大好きになりました。
高校は先生たちが個性的過ぎて、授業よりも趣味を熱く語る先生がいたりして、「こういうのありなんだ」って思える環境にいたから、今でも夢を見て仕事をしていられるのかな…。

いずれにしろ、私の周りには仕事を楽しんでいた大人がいて、それを見てきたからこうして夢を描けるということなのかと。
取材していても楽しく仕事をしている人って、親や周囲にそういう方がいて、強く影響されている印象を受けます。

夢=憧れ じゃなくて 夢=叶えるもの

過去の見てきたものを思い返すと、今まで業界の華やかのところを変にクローズアップされ、それが“夢”だよって思わされてきただけなのかもしれないですね。
結局は『衣食住』。生活において、欠かせないものなだけ。
華やかで憧れが詰まったファッション業界という幻想は捨てた方が良いのかもね。

これは以前のブログにも書いたことがあるかもしれないけど、服飾系の専門学校に行こうとしたら親に反対されたって学生さん多いんですよね。
勉強したって結局は販売員にしかなれない>販売員は若い人の仕事>アルバイトでもできる、給料が安い、長く働けない。などなど
ファッション業界で働いたことがない親御さんはよく見ていらっしゃいます。
言葉は悪いですがファッション業界の素人さんですら「華やかで夢はありそうだけど、現実はねぇ…」と思っていらっしゃるわけで、実際、それが本当だったりする部分もあるから、それらをまずはそれらを改善しつつ、一般へ払拭しなていかないとならないかなって。

あと、地方の専門学校だと就職先が地元の縫製工場や地元に出店しているアパレル店でのアルバイトや契約社員くらいしかなくて、学生さんがやる気をなくす。なんてこともあるでしょうね。
かくいう私の行ってた専門学校もほとんどが花嫁修業的な感じでしたし…
そう考えると、夢の描き方には地方格差もあるのかもしれない。

そう言えば、安室ちゃんが「夢なんて見るモンじゃない 語るモンじゃない 叶えるものだから」って歌ってたわね。
だったら、叶えられそうな夢から見ていけば良いんじゃないかしらって思うわ。

この記事を書いた人

苫米地香織

苫米地香織

服が作れて、グラフィックデザインができて、写真が撮れるファッションビジネスライター
日本で一番アパレル販売員を取材している人