約20年で2000人以上の販売員さんにインタビューしてきて、大変レアな転職をされた方に取材することができました。京王百貨店のシューズ売場で販売をしている小川さんは、元義足製作メーカーにお勤めされ、義手や義足づくりに携わっていた方です。

よく「足と歯だけは痛いと不快になって、何もしたくなる」という話を周囲の方とするのですが、医療の知識を持って靴を提案されると安心感があります。特に本文にも登場する『適合』の話は興味深かったです。靴はピッタリなもの、ジャストサイズを選んだ方が良いのではと思いがちですが、そこにお客様の気持ちをくみ取り、その中間を上手く取り入れた靴を提案することの大切さを知ることができました。

改めて、販売職の世界の奥深さを感じることができた取材でした。

この記事を書いた人

苫米地香織

日本で一番アパレル販売員を取材しているファッションジャーナリスト
販売員として働きだすが1年で挫折し、アパレル企画会社に転職。独立後は衣装制作、グラフィックデザイナー、ライターとして活動し、現在はファッション業界誌を中心に執筆。これまで取材してきたアパレル販売員は2000人を超える。