改めてフリーミアムについて考えてみた

先週は「フリーミアム」に関する話題が目に付いたので、改めて考えてみようかと思う。

やはり先週のハイライトと言えば人気絵本の炎上だろう。
そして、週末にTwitterにシェアしたら↓のニュース

トップデザイナーのパターンを無料ダウンロード!『SHOWstudio』の人気シリーズ最新作はシモーネ・ロシャとのコラボ

服を作る人ならトップデザイナーのパターンは是非とも見てみたいと思うだろう。

そもそも、フリーミアムという言葉が登場し始めたのは2010年ごろ。
分かり易いのは当時発行され、フリーミアムの発端となったこちらの書籍を読むことをお勧めだ。
『フリー<無料>からお金を生み出す新戦略』

ちなみにAmazonに記載してある内容紹介には

●無料のルール
1.デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる
2.アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない
3.フリーは止まらない
4.フリーからもお金儲けはできる
5.市場を再評価する
6.ゼロにする
7.遅かれ早かれフリーと競いあうことになる
8.ムダを受け入れよう
9.フリーは別のものの価値を高める
10.稀少なものではなく、潤沢なものを管理しよう

とセンセーショナルな言葉が並び「貧乏だけど無料で何かを提供することで客を寄せていかなくてはならないのかしら?」と思い悩むところである。

ちなみにWikipediaによると…
「基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については料金を課金する仕組みのビジネスモデルである」と解説している。

あれから約7年。
フリーミアムのビジネスモデルはどれだけ成功しているのか?と調べてみると…

14年の記事
フリーミアムの勘所が5分でわかる!【成功事例6選と失敗事例2選付き】

成功事例にあるEvernoteはこの当時はまだ順風満帆な印象であったが、昨年は利用条件の改悪&値上げで炎上。マネタイズ出来ていない感が否めない。また、昨年日本上陸した音楽ストリーミング配信サービスSpotifyも他のストリーミングサービスと比較すると国内ではあまりパッとしら感じがない様子だ。

15年の国内事例をまとめた記事では
「フリーミアム(ユーザー課金)」で成功した国内Webサービスのビジネスモデルを解説します【4社】

食べログ、クックパッドに関しては現時点において、成功と言えば成功だとは思うがステマ的な点数操作や内紛など、サービスとは別な所での問題を抱えており、両手を上げて「成功だ」とは言い切れないのではと思う。
ニコ動も同様にこの記事が書かれた時点では成功事例と言えるが、最近の小中高生に言わせると「ニコ動は古い」らしい。時代はYouTubeへ流れている様子だ。小学生がなりたい職業にランキングされるくらいだからな…
また、この数年でライブ配信サービスも増えているので、重いニコ生よりも手軽なツイキャス(TwitCasting)やPeriscopeなどにも流れていくのではないかと思う。
その点、弁護士ドットコムはこの記事を見る限り成功と言えるのだろうなと感じた。
ただ、個人的にサイトを利用したころがないので、今後じっくり見てみようかと思う。


photo credit: barnimages.com Styled stock photo with coffee and iPhone via photopin (license)

こうやって成功&失敗事例と呼ばれるものを見てみると「本当に成功しているのか?」と感じるものばかりだ。
色々と調べていくと、早くも「フリーミアムの崩壊」とまで言われている。だだ、それは単にフリーミアムを上手く活用できていなかったり、フリーミアムと相性が良くないビジネスモデルだったりするからではないかとも思うところも。
また、人の気持ちは移り変わるものであるから“無料のしどころ”も時代によって変わっていくのではなかろうか。

13年に読んだ『ソクラテスはネットの「無料」に抗議する』では、フリーミアムとは言え、無料で提供されたものに対し、私たちは何らかの対価を支払っているという事を歴史や行動心理学に基づいて解説している。

そうなると、無料とは言え気持ちよく何かしら対価を払いたいと思うのが人の心情だと思う。

例の炎上に関しては「大成功!」であったが、その点で癪に触ったのが残念だなと言うのが個人的な感想だ。
「立ち読みのデジタル化」と氏はキャッチーにまとめてくれて「これは面白い表現だな」と感心し、データをアップしたサイトはアフィリエイトサイトということで、ちゃんとマネタイズしていることにも関心した。
中身を見せることで安心・信頼を得て、新規客を取り込むというもので、無料公開後にAmazonでのランキングがアップした。実にフリーミアムを上手く活用していると言える。

とは言え、個人的には他にもフリーミアムビジネスで癪に障るサイトがあるので、そういうサービスはできるだけ利用しないことに徹している(笑)
人の気持ちを逆なでするような方法でフリーミアムを成功させるのもいかがなものだろうといつも思うのである。
反面、万人に喜ばれるのは無理な話でもあるから、仕方ないのかもしれないが…

この記事を書いている時にこんなのを見つけた。

あやまんJPANフリー素材サイト

あやまんJAPANが有名になれたのは飲食店のお陰であるということで、その恩返しと飲食店を応援したいということで立ち上げたようだ。こういう方法なら、俄然応援したい気持ちになる(笑)

アパレル業界での事例は無いかなと調べたら

フレックスジャパン ワイシャツ通販でフリーミアム戦略

という記事を見つけた。
フレックスジャパンのサイトを見てみると、現在ではパターンオーダー専門ブランドの方でファーストサンプルを無償提供という形で残しているようだ。

アパレルでフリーミアム戦略はやはり難しいのだろうか?
最初に挙げたパターンを無償提供しているサイトを見てみたところ、サイト運営に苦戦しているようであった。
販売員による着こなし方の無料提供も「接客されたくないクラスタ」には届かない。
反面、「売らないと…」という焦りで、着こなし方の無料提供も上手くできていないショップスタッフもいるのだろう。

とは言え、今こそ今までとは一線を画したやり方ををしていかないと…という焦り感を一掃感じるようになった。


製作チームとして参加しております。
よろしくお願いします。

何となくBASEやってます。今はスマホケースだけですが今年はバリエーションを増やしていきますよ。
http://funnies.theshop.jp/

また、原稿執筆、デザイン(グラフィック)、サイト(ホームページ)制作、ブランディングなどのご相談はコンタクトからお気軽にどうぞ。

この記事を書いた人

苫米地香織

苫米地香織

服が作れて、グラフィックデザインができて、写真が撮れるファッションビジネスライター
日本で一番アパレル販売員を取材している人