オンライン接客ができなくたって大丈夫

服から学んだたくさんのこと
服から学んだたくさんのこと
オンライン接客ができなくたって大丈夫
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先日こんなブログを拝見しました。

ある地方のアパレルブランドの販売員さんのブログです。
実はこちらのメーカーを以前に取材したことがあり、ちょくちょく
今でも残っているかしら?と時に気かけていました。

オンライン接客に関する販売員側の現状や思いが露土されているのですが
最近はどこでも「オンライン接客だ!」と言われていて、経営者層は正直焦っている
と思います。あちこちで「オンライン接客に取り組んでいる」と大手の代表が
言っているのを見聞きしたら、「うちでもやらないと…」となるのは当然の事です。
もちろん、それは販売員も同じだとは思いますが、店頭にいる以上、販売員にとって
店に来てくれるお客さまの方が大切です。
簡単にオーナーやマネージャーが「うちでも取り組みましょう」と言っても
現場の状況的に、そうは問屋が卸さないのが現実だとつくづく感じました。

そんな販売員さんの悲鳴を読んで思い出したことがありました。
それは今から25年前のこと。
私が初めて社会に出て、販売員として働き始めたときの事です。

90年代の無茶ぶりを振り返る

当時働いていたのは、90年代のインディーズブランドブームの波に乗ろうとしていた
小規模ブランドでした。社員は私入れて4人。社長を入れても5人でした。
埼玉県内にある本部機能を持った店と大宮駅前にあったファッションビルに1店舗
さらにその年の開業した池袋P’PARCOに1店舗。計3店舗を運営。

さぁ、皆さん計算してみてください。この状況で店を回せるでしょうか?(笑)

今思うと、よく店舗運営できるなという状況です。もちろんアルバイトさんを
雇っていた時期もありましたよ。ですが、基本的には池袋に私一人がいて、休憩の
ために社長や本部にいた営業の子が来てくれるという状況でした。

何度考えてみてもすごいですね(笑)。
こんな環境とそれに対しての給料で1年間よく働いたなと思います。

大体、オープンで寝坊したら店が開かないんですよ(笑)。トイレに行きたい時は
向かいやお隣のスタッフさんに見てもらってました。

ま、そういう状況下で当時は働いていたのですが、これが現代にあったらの……
と少し想像してみたのですが、吐き気しかありませんでした。

さらに、追い打ちをかけるようにオンライン接客をしましょうと言われたら……
まぁ、無理ですね。退職を決めるまでの時期が早まるくらいでしょうか(笑)
SNS投稿は嫌いではないので、できないことはないけど、写真の撮り方、文章の
書き方など、見てもらうことを前提に投稿することを考えていると頻繁に投稿
するのは無理でしょうね…。

オンライン接客の現状は…

実際、大手アパレルでオンライン接客ができているところは、販売員の勤務も
常に店頭にいるわけではなく、店舗と本部を行き来していることが多いです。
地方店の場合は、オンライン接客の業務をやる日というのはスケジューリング
されており、店頭業務とは区別しているのです。
オンライン接客ができる環境、人員を確保しているから成り立っているのです。

メディアで執筆している身として、オンライン接客を推進する論調で書きがちで
このブログを拝見した時は反省しました。
取材では店頭とオンラインの業務をどうしているか聞いていて、できるだけ書き
入れるようにはしていますが、「オンライン接客をしたら売上が確保できるかも」
という考えが先行し、業務体制の部分が抜け落ちてしまっていることもあるかも
しれませんね。

Photo by Sharon McCutcheon on Unsplash

オンライン接客ができる環境・人・時間が揃っているのであれば積極的にやった方が
良いと思います。
ですが、その3つが揃っていないのなら、まずは揃えることから始めてみては
いかがでしょう。
店から配信すると決めたらな「環境」はありますね。
販売員に出てもらうなら専任スタッフを確保しておくことがベストでしょう。
最低でも一人。要はオンライン=店であるということと考えれば専任は必要でしょう。
そして、時間です。
単なるビデオ接客なら、時間予約制にすれば問題ないでしょう。
もし配信型のオンライン接客をするなら自店のお客さまは何時くらいなら見て
もらえるか、テストを重ねながら配信していきましょう。

現場に丸投げするのではなく、経営側こそオンライン接客とは何かを勉強し
他社のやっていること見て、体験してみて、自分の会社に落とし込めることは
何か考えてみてください。

すぐにできなくても大丈夫です。
でも、これから必要にはなりますから、今から準備しておきましょう。

この記事を書いた人

苫米地香織

日本で一番アパレル販売員を取材しているファッションライター。
服を作り、写真を撮り、文章も書く、グラフィックデザイナー。