販売員呼称問題を考える

服から学んだたくさんのこと
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販売員呼称問題を考える
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もう何年も前の事だが、ある企業のトップインタビューをした際に「販売員という呼び方が地位向上を遅らせている」というニュアンスの話をされた。それ以来、私の頭の中ではずっとそのことが気になっていた。

何て呼ばれたい?アンケート結果

販売員という呼び方は古臭いのか?
若い世代だと「アパレル店員」ともいうな…
ショップスタッフでも良いけど長い ←コレはどうでもいいかも(笑)
そもそも、呼ばれてい当事者が置いてけぼりになっているのではないか?

と一周してきて、結構前の事だがTwitterでアンケートを取ってみた。
(気軽なアンケートを採れるようになり、本当に便利な世の中になったわね)

で、その結果は…

少し気になるのは「その他」でどんな呼び方があるのかな?という点だが、圧倒的に販売員・アパレル販売員という呼称が当事者たちもしっくりきているということが分かった。

ブランディングやイメージを変えたいという思い

このアンケートを採るきっかけにもなった冒頭のインタビューで、そのトップが目指しているのは「販売員の地位向上」だった。私ももっと販売の仕事は評価されていい仕事だと実感している。だから、そう話すトップの思いは共感しているし、同じくどうしたら「誰にでも簡単にできる仕事」というのを払拭できるのだろうかと考えることはある。

手っ取り早く『呼称を変える』ということで、イメージを変えるというやり方も有効ではある。
過去には現東京都知事の小池百合子さんは、かつてサラリーマンに向け、夏場の涼しいオフィススタイルを定着させるため『クールビズ』という言葉を打ち出した。今ではすっかり夏のオフィススタイルを表す言葉として定着している。
氏は元アナウンサー・ニュースキャスターだけあって、この他にも数々の言葉を生み出したが、昨今の事例はどうだか…

それはさておき、呼称を変えることでイメージを変えることは不可能ではない。それは理解できるのだが、果たして販売員からショップスタッフと呼び方を変えることで「カッコいい職業」「働いてみたい」と思う職業になる可能性はあるのだろうか?

呼称よりも業界内での評価を

アンケート結果もさることながら、個人的にも販売員の呼称を変えることで、この仕事のイメージは変わらないと思う。当事者である販売員もこの呼び方がしっくりきているし、最も分かりやすく仕事を表しているということだ。

今は世界の大騒動のお陰(?)で都心の店は休業状態だ。
それ以前の長い営業時間、夜遅い時間の閉店から解放されて、気持ち的には解放されている販売員もいると思う。販売員の取材で、よく「働きやすい?」「不満はない?」と聞くことがあるが、一番に上がってくるのはこの営業時間の事であった。

ほぼ年中無休で営業時間も長いとなると、スタッフ全員で休むことがまずできない。それは逆にスタッフ全員が揃うことも難しいということになる。なぜならシフト制で働くため、誰かしら欠けるような状況になるからだが、そうなるとマネジメント的にも意思疎通が取りにくく、店長たちは四苦八苦しているだろう。

ゆえに呼称よりも待遇の改善。
現場の状況を理解した上での店舗の働きやすい仕組みづくりをすることが先決なのである。

店員と呼ばれるのは?

最近、インスタグラムで見かけるのが「#アパレル店員とつながりたい」というハッシュタグだ。
アンケート結果ではその他よりも結果が低い。ということはTwitterを見ている販売員は「店員」とはあまり呼ばれたくないということだろう。

実は私も「店員」と呼ぶ方が地位向上につながらないのではと感じている。
もし、「#アパレル店員とつながりたい」というタグをお使いの方がことを読んでおられるなら、ぜひ「販売員」に変えてみてはいかがだろうか。

っていうか、つながりたいならお店でお買い物をしましょう。

この記事を書いた人

苫米地香織

日本で一番アパレル販売員を取材しているファッションライター。
服を作り、写真を撮り、文章も書く、グラフィックデザイナー。