研修でのスキルアップは雇用される側、雇用する側どちらにとってもメリットがあります。
しかし、研修費用が掛かるうえ、本来の業務を離れなければならないケースも多く、経営者としては苦しいところです。
現場での実務を通じた研修から、社外での職業訓練までを含めた、幅広い研修について補助金が支給されれば、人材育成もやりやすくなりますね。
そんな時におすすめの補助金、キャリアアップ助成金~人材育成コースの助成金について紹介いたします。
訓練時間や実施費用の助成がある
ざっくりいうと、訓練の種類には、通常業務を離れて行うoff-JTと、実務の中で技能や知識習得を行うOJTがあります。
助成金の対象になる訓練の要件を、(1)と(2)のケースにまとめてみましょう。
(1) 一般的な有期契約労働者等(off-JTの訓練)
対象:一般職業訓練、中長期キャリア形成訓練一般職業訓練を受ける者、育児休業者
特徴:対象有期契約労働者のoff-JT実施
一般職業訓練
1コース1年以内の実施期間内に、20時間以上の訓練時間数であることに加えて、訓練機関、講師について条件が細かく決められており、通信講座は基本的に認められません。
育児休業中訓練
訓練時数10時間以上、通信講座も要件を満たせば対象になります。
中長期的キャリア形成訓練
専門実践教育訓練指定講座であれば1年を超えて2年または3年の訓練が認められます。
認定を受けた専門学校や、大学院、業務独占資格の取得を目標とする養成施設の場合を指します。
(2) 有期実習型訓練を対象とする場合(off-JT+OJT)
対象:経験の少ない非正規雇用者
特徴:実務による訓練と業務を離れた訓練を組み合わせて実施
実施期間が3か月以上6か月以下、6か月当たりの時間数に換算して425時間以上(うちOJTの割合は9割以下)、訓練修了後に職業能力の評価を、ジョブカード様式に従って行います。
中小企業で生産性要件を満たしている企業での支給額例
一般訓練の場合は、賃金助成が、off-JT訓練1人1時間当たり960円、経費助成として、時間数に応じて10万円~30万円、実費を上限として支給されます。
育児休業では、賃金助成はなく経費助成のみ、中長期的キャリア形成訓練では、経費助成の上限が15万円~50万円となっています。
(2)で実施されるOJT型部分については、実施助成として1人1時間当たり 960円が支給されます。
訓練・人材育成がもたらすメリット
人材育成のためには、研修によるスキルアップが望まれますが、中小企業ではそうした余裕がない場合があります。
例えば、Web関係の業務は、近年、集客・売上アップに欠かせないものとなり、重要性が増していますが、HP制作やLP制作、SEMやSEO対策を社内でカバーするには、担当できる人材の育成が望まれます。
補助金を利用して、人材を育成し、Web関係業務のインハウス化に成功できれば、今まで抱えていた、「外注に頼らざるを得ないのでスピード感にかける。」といった悩みが解消され、事業を推進する力が増すでしょう。
従業員のスキルアップは、企業にもたらすメリットは大きいのですから、助成金を利用した実施を検討してみましょう。