自己肯定感という言葉をご存じでしょうか。これは、仕事や日常生活はもちろん人生そのものにも大きな影響を与える言葉でもあります。
自分自身がどう在るべきか、その存在意義を肯定できる感情であり、自尊心や自己効力感、自己存在感や自尊感情などと同様の意味で使われることが多いと言えます。
自己肯定感が高いと感情が安定するとともに日常で起こり得るさまざまな出来事を前向きに捉えることができますが、自己肯定感が低いと自分はダメな人間だというネガティブな感情に心を支配されてしまいがちです。
日本人の自己肯定感は諸外国と比較すると低い傾向にありますので、自分自身がどうして自己肯定感が低くなってしまうのかを考えるとともに、自己肯定感について理解して高めるように意識することをおすすめします。
自己肯定感とは
ありのままの自分を受け入れて尊重する感覚のことを自己肯定感といいます。どんなに悪い状況下においても自分には価値があると思えること、無条件で自分を認めることができることが自己肯定感だと言えます。
反対に、他者との比較など、何かの条件下において成り立つ自信などは本当の意味での自己肯定感ではありません。こういった他者との比較に基づいた自信ではなく、いかなる状況下におかれても自分自身を肯定することができる真の自己肯定感が養われることによって、精神的に安定することはもちろん、悪い状況下でも動揺することのない強い精神状態を得ることができると言えます。
自己肯定感の影響
自己肯定感が高い人は考え方そのものがポジティブなので、どんな状況下でもワクワクしたり成長できるチャンスだと物事を前向きに捉えることが可能ですが、自己肯定感が低いと基本的にネガティブな思考なので、「どうせ自分なんか」といったマイナスの感情がつきまとってしまって大事な場面で萎縮してしまったり、少しのミスで心が折れてしまって本来の力を発揮することができません。
また、自己肯定感が低い人は自分と他者を比較して劣っているところばかり気にしてしまいがちです。そうすることで「どうせ自分なんか」という感情に支配されていって本来の自分自身の良さに気がつくことができません。
自己肯定感が高いと常に建設的な努力をして前進することが可能ですし、努力の課程を楽しむこともできて充実感が得られますが、自己肯定感が低い人はそういうわけにはいきません。努力を無意味に感じてしまいますし、努力したとしても心身共に疲弊してしまいます。
自己肯定感を高めるには
まずは自分自身の現状を受け入れて認めることから始めましょう。そして、自分自身がどんなことをダメだと感じているのかに気付くことも大切です。
自分の感情に意識を向けてみてください。我慢強い人は感情にフタをしてしまいがちですが、自分の感情にしっかりと向き合って受け止めることを意識してみましょう。
そして、頑張っている自分を褒めてあげてください。そうすることによって、三大神経伝達物質でもあるセロトニンやエンドルフィン、オキシトシンが分泌されて自分に優しくなれますし、自分自身を認めて褒め続けることによって自己肯定感の向上に繋がります。
忙しい人はネガティブになりがちです。1日に10分でも構いませんので、インターネットなどを含む全ての情報をシャットアウトして、心がリラックスする状態を意識して作りましょう。おすすめなのは瞑想です。瞑想をすることによって脳が刺激やストレスと闘うモードから受容と満足モードへと切り替わっていきますので、試してみてください。
肉体的な疲労もまたネガティブな感情に繋がりますので注意が必要です。一度生活スタイルを見直すとともに質のいい睡眠をとることなども意識してみてください。
自己肯定感が低いと感じている人は、自分自身がおかれている環境を変えてみることもおすすめです。自分を認めてくれる人と積極的に付き合うことによって自分に自信が持てるようになりますし、自己肯定感を高めることにも繋がっていきます。
いずれもすぐにでも始められることですので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
まとめ
自己肯定感が低いと幸福感を得ることはできません。自分はありのままでいい、生きているだけで価値があるという感覚を持つことによって、さまざまなことにチャレンジをする意欲に繋がっていきますし、幸せを手に入れることも可能です。
ネガティブな考え方に支配されて自己肯定感が低い人は、何をやっても心が救われない感覚に陥ってしまいますので、幸福感を得ることが難しくどんどん幸せが遠のいてしまいます。まずは自分自身の自己肯定感のベースを作るとこから始めて、高めていくように努めていきましょう。
思考のクセは変えることができます。「どうせ自分なんか」と考えてしまうネガティブな思考の習慣を変えるためにも、まずはありのままの自分を認めて受け入れることから始めてみてください。