「うつ病」の人がとる行動を理解して早期発見に繋げる
うつ病のサインに気づく
近年では現代病とも言える身近な病気のうつ病ですが、うつ病は自覚できないケースも多く、気が付かないうちに症状が悪化している場合も少なくありません。発症する原因は個人によって異なりますが、周りの人がうつ病のサインに気づくことによって早期発見、早期治療に繋がります。うつ病の人がとる行動の特徴を理解するとともに、日頃からそのサインに気づいてあげるように意識しておきましょう。
これまでと様子が違うと感じた時や何かおかしいと感じた場合は注意深く様子を見守りましょう。本人も気が付かないうちに発症して進行する可能性があるうつ病という病は、近年患者数が増加傾向にある身近な病気です。
自分自身の予防に努めることはもちろん、周囲の人がサインを出していると感じたらできる限り早い段階で専門医の受診をすすめるなど、早期治療を促してあげましょう。
うつ病の人がとる行動
職場におけるうつ病の人がとる主な行動としましては、作業効率の低下やミスが増えること、日常的な遅刻や物事が決められないなど実にさまざまです。
働き盛りの世代は特にプレッシャーや過労などうつ病を発症するリスクが高いうえに、忙しくて自身の症状に気づきにくく悪化してしまいがちですので注意が必要です。
他にも職場で泣き出すことや締め切りに遅れること、単純作業に時間がかかることや同僚を避けることなど、さまざまな行動が見受けられますので意識しておきましょう。
家庭におけるうつ病の人がとる主な行動としましては、ぼんやりしていることや元気がないこと、以前は趣味だったものに興味がなくなることや食欲がなくなることなどがあげられます。
身近な人にうつ病の人がとる行動が表れた場合、冷静に受け止めて対応するように心がけましょう。
周りから見て明らかに元気がないなど、日常の行動に変化があらわれたら注意が必要です。何事に対してもやる気がなさそうな場合や睡眠障害といった症状があらわれた場合も同様です。
日頃からちょっとしたことへの気づきを大切にすることによって、うつ病のサインを見逃すことなく早期発見に繋げることは可能だということを意識しておきましょう。
理解を深めて適切な対応をする
実際に周囲の人がうつ病を発症した場合、動揺してしまう人も多いと言えます。同僚や部下がうつ病を発症した場合は仕事に影響を及ぼしますし、家族がうつ病を発症した場合は家庭内に何か原因があるのではないかと考えてしまうこともあります。
しかし、まずは周囲の人が冷静で適切な対応をしなくてはならないということを頭に入れておきましょう。
本人を少しでも元気づけるために励ますことやイベントに誘うことなどは、更に精神的に追い込んでしまう可能性も考えられますので注意が必要です。
本人が受診を拒否する場合は家族だけが行って相談することも可能ですので、まずは医師や専門家に相談してみましょう。
また、メンタル疾患での労災件数が年々増加傾向にあることから、2015年12月には従業員が50人以上の事業場におきましてはストレスチェックが義務化されました。社会全体としてうつ病に関する意識が高まっていると言えますので、個人としてもメンタルケアの大切さを意識しておくことをおすすめします。
自分は大丈夫と思って何もしないのではなく、いつ自分の身に起こってもおかしくないことだということを受け止めて、日頃から理解を深めておくことをおすすめします。
うつ病の人の中には自分が病気だという認識がない方も多いと言えます。そのため専門医を受診して薬を処方された場合でも飲まない方が少なくはありません。
その場合は身近な人が薬の管理をするというのも選択肢のひとつですし、薬を飲まない治療法もありますので専門医と相談しながらベストな治療法を見つけましょう。
うつ病を発症すると仕事や学校を休まなくてはならないというわけではありません。もちろん休むことも可能ですが、症状によっては薬物療法などを取り入れながら社会生活を送ることも可能ですので、本人の状態を見極めて専門医と相談しながら慎重に決めていきましょう。
まとめ
うつ病は早期発見と早期治療によって回復していく病気です。適切な治療を施すことによって治療効果がより一層高くあらわれてきますので、日頃からうつ病に対する気づきを大切にするとともに、もしもの時は適切な対応をとることができるようにしておきましょう。
うつ病を発症すると行動力や思考力が想像以上に低下します。やらなければならないという気持ちがあっても行動が伴わないため、更に精神的に追い詰められてしまうこともあります。
精神的に追い詰められた状態が長く続くことによって症状は悪化しかねません。自分にも、身近な人にもいつ起こってもおかしくない身近な病気だということを意識するとともに、日頃からうつ病の人がとる行動や適切な対応に関する知識を身に着けて備えておくように心がけましょう。